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光ファイバ通信における光損失の要因と測定を紹介

Worton

翻訳者 ともや
2022年5月18日 に投稿された


光通信システムでは、データを正しく伝送するのに、光損失を最小限に抑えなければなりません。しかし、光損失を引き起こした原因は様々で、それを見出して解決するのは複雑です。


目次

様々な光ファイバ損失と対策法

光ファイバの固有損失

光通信システムの組込による損失

光ファイバ損失測定(リンク損失バジェットの計算式)

様々な光ファイバ損失と対策法

光損失の原因は、光ファイバ自体に固有の損失と光ファイバの組込による損失という2種類に分けられます。

光損失の原因

光ファイバ損失の種類
要因

対策

固有損失
レイリー散乱損失
フッ化物ファイバの開発による不均一性の回避

吸収損失
無塵環境下での生産・新たな原材料の開発

構造不均一による散乱損失
無塵環境下での生産・新たな原材料の開発
組込による損失
曲げ損失
低曲げ損失BIFファイバの導入

マイクロベンディングロス

ショートブーツ光ファイバ(商品の使用


接続損失
使用された製品の事前検証・敷設環境の確認

結合損失
使用された製品の事前検証・敷設環境の確認

光ファイバの固有損失

光ファイバ自体に固有の損失は製造上の不注意・不手際に繋がります。

光ファイバの固有損失

レイリー散乱損失

レイリー散乱とは、光の波長より小さいサイズの粒子により、光の進行方向が大きく変化した(光の散乱)という現象です。

 石英ガラスを高温で加熱して、糸状に引き伸ばす過程において、ランダムな密度のゆらぎが生じます。そのゆらぎは急冷されたにつれて光ファイバに残留してしまい、屈折率の不均一を引き起こしたわけです。その小さい微粒子によるゆらぎはレイリー散乱の要因となり、光ファイバの伝送性能に影響します。夕焼け空が赤く見えるのも、遠方の山が青く見えるのも、レイリー散乱の実例です。

吸収損失

吸収損失は光ファイバ内の不純物もしくは石英ガラス本来持っている固有吸収による光損失です。

 赤外吸収損失と紫外吸収損失に分けられた固有的吸収をもつ石英ガラスと、ガラス内に含まれている不純物によって、光エネルギーが吸収されて熱に変換されるわけです。

構造の不均一による散乱損失

構造の不均一による散乱損失は屈折率の不均一に繋がります。

 本来、光の全反射(コアの屈折率がクラッドの屈折率より高い)により、光信号は光ファイバの中に封じ込められ、目的地まで届くのですが。屈折率の不均一により、光がコアとクラッドの境界面で全反射せずに透過・乱反射し、レイリー散乱のような光損失が生じたわけです。


光通信システムの組込による損失

曲げ損失

過度な曲げ(角度ずれ)により、入射角が変化し、光は全反射せずにクラッド側に放射されてしまいます。

曲げ損失

 曲げ損失は全反射の臨界角(入射角を超えると、全反射する最小の入射角)以下で入射し、クラッド側まで透過した光損失を意味します。

マイクロベンディングロス

曲げ損失のような大きな曲げではなく、軽微な圧力による曲げも光損失を引き起こします。したがって、光ファイバを実用する場合は光ファイバにストレスを加えないように緩衝層を敷設など構造的な対策が一般的です。

接続損失

接続損失は「放射損失」と「反射損失」という2種類に分類されます。

 「接続損失」はいわゆる光ファイバの接続における光損失です。光ファイバを接続する(光コネクタ)際に、コア同士のズレ(軸ずれ)により、一部の入射光が外部に放射されてしまい、他方のコアに入射できなかった可能性が存在します。

接続損失

「反射損失」は、隙間と出射端面の界面で光の反射が起こって、光損失が生じたという現象を意味します。光ファイバ端面間に隙間が出来て、ファイバと空気との屈折率が違うため、最大 0.6dB 程度の反射による接続損失が発生します。

反射損失

結合損失

光モジュールとの接続や光ファイバ(光コネクタ)同士間の接続において、出射した光がどこかで放射された場合、結合損失が生じます。結合損失は光コネクタ・光モジュール・光ファイバの優劣に繋がります。

 光ファイバにおけるコネクタ損失または挿入損失は、伝送路または光ファイバへの装置の挿入から生じる光パワーの損失です。マルチモードコネクタは、0.2〜0.5 dB(0.3標準)の損失があります。工場出荷時のシングルモードコネクタの損失は0.1〜0.2 dBで、フィールド終端シングルモードコネクタの損失は0.5〜1.0 dB(0.75 dB、最大TIA-568の許容範囲)です。

光ファイバ損失測定


光ファイバ損失の計算方式は次のようになります。

 リンクバジェット= [ファイバ長(km)* kmあたりのファイバ減衰量] + [スプライス損失*スプライス数] + [コネクタ損失*コネクタ数] + [安全マージン]

 光ファイバ損失の計算方式

上記の図表を示すように、5つの接続(両端に2つのコネクタ、リンクのパッチパネルに3つの接続)と中央に1つのスプライスを持つ典型的な850 nm 2 kmマルチモードリンクの例です。損失予算マージンは5 dBです。したがって、このリンクの総光ファイバ損失は次のとおりです。

[2 km*3.5 dB/km] + [1*0.3 dB] + [5*0.3 dB] + 5 dB = 12.3 dB.

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