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PAM4とNRZの意味・違いとは

Updated on 6月 30, 2022
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FS.COM|10G/25G/40G/100G/400G光トランシーバ

クラウドコンピューティング、ビッグデータなど時代のトレンドに乗り、インターネットトラフィックは指数関数的な増加を遂げ、400Gイーサネットの台頭を推進しています。ニーズの急増に見合うために、データセンターにおける広帯域通信技術の革新が必要とされています。現在、NRZ(Non Return to Zero、非ゼロ復帰)とPAM4(Pulse Amplitude Modulation 4、ぱむふぉーとも読む)、この2種類の信号変調技術は超高速通信ネットワークの構築において広く使用されています。


目次

NRZとPAM4の意味

  NRZとは

  NRZインターフェースの仕組み

  PAM4とは

  PAM4インターフェースの仕組み

PAM4とNRZの違い

  ビットレート(ビット速度)

  信号損失

  信号雑音比(SN比)とビット誤り率(BER)

  消費電力

 

NRZとPAM4の意味

NRZとは

NRZ(非ゼロ復帰)とはNon Return to Zeroの略語で、電気通信の信号伝送で使用されたバイナリコードで、各ビットの間で電圧が「ゼロ(0V)」に戻る必要がない変調方式です。データビット1は正の電圧で、データビット0は負の電圧という2つの状態を表し、ビットの値1、0に応じて、信号の高または低を決められた電圧で送り出します。

NRZ

 

NRZインターフェースの仕組み

多くのネットワーク機器において主流となっている100G QSFP28光トランシーバー(主に100G SR4、LR4、CWDM4)内部では、NRZを採用して電気信号と光信号の相互変換をしています。

下図に示しているように、電気側インターフェースは4レーン(各レーン25Gbps)となっています。その一方、光側インターフェースでは異なる規格によって、光信号を多重して1芯の光ファイバとパラレルの光ファイバーで出力する違いがありますが、いずれも光トランシーバー内部で4レーンの伝送となっています。

NRZインターフェースの仕組み

PAM4とは

PAM4はPulse Amplitude Modulation 4の略語で、2つのビットを重ねて4つの電圧レベルを用いる信号伝送方式です。下図のように、一段目(00)、二段目(01)、3段目(10)、4段目(11)と4段階となります。

PAM4

 

PAM4インターフェースの仕組み

既存のQSFP+またQSFP28光トランシーバーと共通の筐体外形を持つ400G QSFP56ーDDは電気側と光側ともにPAM4を採用しています。

下図の示しているように、400Gのレート拡張のために、電気側インターフェースの信号密度は従来のQSFP+の2倍となっています。それにより、電気側インターフェースは8レート(各レーン50Gbps)となっている一方、光側インターフェースはQSFP28と同じように4レート(各レーン100Gbps)となっています。(400G SR8 以外)関連記事:「400G-SR4.2と400G-SR8の違い、IEEE 802.3cmによる規格標準化

PAM4インターフェースの仕組み

従って、同じ周波数の信号でもPAM4はNRZの2倍の情報を伝送することができます。例えば、10GHzの周波数の信号をNRZで伝送すると、帯域は10×2bitで20Gbpsに対して、PAM4で伝送すると帯域は10×4bitで40Gbpsになります。

 

PAM4とNRZの違い

ビットレート(ビット速度)

ビットレートは変調速度(ボーレート、symbol/s) × シンボルビット数(bit/symbol)です。NRZ変調方式ではシンボルビット数は1bit/symbolで、PAM4変調方式ではシンボルビット数は2bit/symbolで、例えば、400GーDRでは50GボーレートNRZのビットレートは50Gボーレート × 1bit/symbol = 50G bit/sに対して、PAM4のビットレートは50Gボーレート × 2bit/symbol = 100G bit/sです。そのため、同じボーレートであればPAM4のビットレートが2倍になり、400Gなどの高速光通信の効率を高めることができます。具体的には、400Gbpsのイーサネットインターフェースを、PAM4変調により50Gbpsで8レーン、100Gbpsで4レーン実現することができるのです。

 

信号損失

上記の通り、PAM4はNRZに比べ、1周期あたり2倍の情報量を伝送することができます。そのため、同じビットレートであれば、PAM4のボーレートはNRZの半分になることで、PAM4信号の伝送による信号損失が大幅に低減されます。PAM4のその重要なメリットにより、ボーレートを2倍にしてチャネル損失が増やす代わりに、既存のチャネルと相互接続をより高いビットレートで使用できます。

 

信号雑音比(SN比)とビット誤り率(BER)

SN比とは信号雑音比(signal-noise ratio)の略語で、SNR、S/Nとも書かれ、その名の通り、信号と雑音の比です。そのため、SN比は高ければ伝送における雑音の影響が小さいに対して、小さければ雑音の影響が大きいです。

BERとはビット誤り率(Bit Error Rate)の略語で、受信側が受け入れたすべてデータに対する誤ったデータの比率です。誤ったビット数と受信したすべてのビット数の比です。

下図によると、PAM4のアイパターン高さはNRZの1/3であるため、PAM4では4つの異なるレベルの光信号を識別する必要があります。したがって、NRZより、PAM4の信号雑音比(SN比)は約9.5dB劣化し、先ほど述べた通り、SN比は小さければ雑音の影響が大きいため、ノイズの影響を非常に受けやすく、エラー(誤り)が発生し、ビット誤り率(BER)が高くなります。そこで、400Gイーサネットでは、前方誤り訂正技術(FEC)(関連記事)が必要です。

NRZ vs. PAM4

消費電力

PAM4チャネルのビット誤り率(BER)を低減するには、PAM4 リンクの Rx 端でのイコライゼーションとTx 端での事前補正が必要です。決められたクロックレート(単位:HZ)に対して、どちらもNRZリンクより、余分な電力を消費します。つまり、PAM4トランシーバーはリンクの各端末でより多くの熱を発生させるようになります。

しかし、最先端のシリコンフォトニクス(SiPh)はエネルギー消費を効果的に削減することができ、400Gトランシーバーに使用することができます。例えば、FS シリコンフォトニクス 400Gトランシーバー(関連製品)は、SiPhチップとPAM4信号を組み合わせており、400Gデータセンター向けのコスト効率と消費電力の低いソリューションとなっています。

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