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OTDRデッドゾーンとは?反射光や散乱光による影響を軽減する方法は?

2021年2月6日 に投稿された


OTDR(Optical time-domain reflecometer:光パズル試験器、下記OTDRと呼ぶ)とは、光ファイバの特性評価および故障・破断部の検知に使用される光エレクトロニクス機器ということです。OTDR測定は光ファイバシステムルートの構築、認証、トラブルシューティングに欠かせない方法のとして、その測定結果はテスト機器であるOTDRの仕様に直結します。例えば、デッドゾーンはその仕様の1つです。

デッドゾーンとは

デッドゾーンとは、OTDR検出器の飽和状態による検出することが不可能なケーブル区間ということです。

Figure 1 OTDR Dead Zone Illustration.jpg

接続部の空隙、接合不良、(コネクターやファイバ端)平らなファイバ端面、その他のインシデントなどの原因によるフレネル反射(光学的に透過可能で異なる屈折率を持つ2つの材質の境界面で光が反射する際に起こる反射現象である)から、OTDRでは現象を起こしたイベントの損失値(挿入および反射)、種類、位置、強度を判明することができます

 しかし、ファイバのリンク内のインターフェイス反射率が高すぎると(ときには4000倍以上)、OTDR検出器が飽和状態になってしまい、正常な状態まで回復するには時間がかかります。その復旧時間の中で、OTDRで反射光を正確に検出することも、データを入手することも不可能なケーブル区間はデッドゾーンとして知られています。
 OTDR検出器を人間の目に例えれば、目で強い光を感じてから回復するまでの時間はOTDR検出器の復旧時間に等しいと考えられます。反射率が高いほど、デッドゾーンの幅も広くなります。また、パルス幅の広さにより、デッドゾーンも変わります。例えば、短いパルス幅ではデッドゾーンも短くなるため、接続部または接合部の近傍におけるイベント検出能力が向上します。

OTDRの種類(デッドゾーンの仕様について)



通常、デッドゾーンの仕様には減衰デッドゾーン(ADZ: Attenuation Deadzone Definition、下記ADZと呼ぶ)とイベント・デッドゾーン(EDZ: Event Deadzone Definition、下記EDZと呼ぶ)、2つがあります。それぞれの意味について詳しく説明します。

イベント・デッドゾーン(EDZ)とは

EDZは不飽和反射イベント(2つの接続あるいは2つ以上)を見分けるために必要な最短距離です。イベント・デッドゾーンの区間は反射波形のピークから両側に1.5dB下がった2点間の距離として定義されます。EDZ仕様の目的は、コネクターからどのくらいの距離を離れれば正確な長さ測定を行えるかの目安を示すことです。反射イベントがEDZより近く置かれている場合、OTDRはそれらを一つのイベントとして表示します。

Figure 2 Event Dead Zone Illustration.jpg

パルス幅が狭いほど、EDZは小さくなります。従って、小さいEDZ仕様のOTDRではより距離の近い反射イベントを検出することが可能です。例えば、屋内ネットワーク(データセンター)を測定するに当たって、光回線では短いパッチ・コードを特定するのに小さいEDZ仕様のOTDRが必要です。逆に、長いEDZ仕様のOTDRを使用すると、一部のコネクター(傷のあるコネクターが傷のないコネクターに隣接している場合)を見落としてしまいかねません。

減衰デッドゾーン(ADZ)

ADZとは、反射光(コネクターなど)または減衰(スプライスなど)イベント後の最小距離と定義されます。減衰デッドゾーンの仕様は通常、パルスの立ち上がりエッジから後方散乱光レベルの近似直線との偏差が0.5db以内になる地点までの距離を指します。そのため、減衰デッドーゾーン(ADZ)の方がイベント・デッドゾーン(EDZ)より長いことが分かります。

Figure 3 Attenuation Dead Zone Illustration.jpg

短いADZ仕様のOTDRでは、距離の近いイベントを識別するだけでなく、ファイバのリンクに生じるイベントの損失値を測定することもできます。例えば、2つのコネクターに挟まれたパッチ・コードの損失を測定する場合、各反射点の後に十分な後方散乱光があれば、OTDRで検知できます。下記の図に示すように、融着接続機で位置合わせして接続した2本のファイバーをOTDRで測定しました。減衰イベント後の距離がADZの限界距離を超えた可能性もあります。

 デッドゾーンによる問題を回避するために、ダミーファイバを利用することがあります。テスト対象のリンクによって、ダミーファイバの長さも異なります。被測定のファイバを巻き付けたことで、OTDRで信頼性の高いテスト結果を確実に得ることが可能です。

Figure 4 Attenuation Dead Zone Example With Fusion Splice.jpg

デッドゾーン回避によるパフォーマンスの向上

ダイナミックレンジは、ファイバの測定可能な最大長を決定するOTDRの主な性能指標の1つです。ダイナミックレンジが大きほど、トレースとイベント検知がしやすくなります。通常、短いパルス幅、小さいデッドゾーン、低消費電力として特徴付けられたOTDRは短い距離のテスト・故障検知に用いられます。それに対して、長いパルス幅、大きいデッドゾーン、高消費電力のOTDRは長距離テストに適合します。

 ちなみにOTDR起動ケーブルボックスを通じて、デッドゾーンをテスト対象のリンクではなく、起動ケーブルに反映させることで、信頼性の高い測定結果が得られます。

まとめ

測定対象により、適切なOTDR検出器を選択することが必要です。違うブランドのOTDRには異なるデッドゾーンの仕様があるため、購入する前に詳しく調べることをおすすめします。

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