IGMP snooping機能(スヌーピング)とは?その定義・仕組み・メリットについて
また、IGMPスヌーピングクエリアとは?
マルチキャストは、ネットワークで、一つの送信元から複数のネットワーク端末に同じパケットを送信します。すべてのホストに配信することは無駄なトラフィック発生に繋がりかねます(特定のホストのみに送信する場合:例えば、防犯カメラネットワーク)。余分な帯域幅の消費と情報セキュリティの脅威を防ぐために、IGMPスヌーピング機能は開発されました。
目次
IGMPスヌーピングとは?
IGMPは、Internet Group Management Protocolの略語で、マルチキャストグループへの参加・脱退を通知します。
IGMPスヌーピングとはIGMPを覗き見(スヌーピング)することで、パケット情報・動画を参照しないインタフェースにフレームを転送しないようにするという機能を活かし、帯域幅の浪費を防ぐことができるプロトコルです。
上記の左の図表を示す通り、IGMPスヌーピングを使用しない場合では、マルチキャストパケットはすべてのホストに送信したため、無駄なトラフィックが発生します。それを防ぐために、帯域幅利用の効率化を可能にしたIGMPスヌーピングが用いられます。右の図表のように、ホスト‐1がルーターにMembership Report(ホストからの応答)を送信する場合、特定のホスト(ホスト-1)のみにパケットが転送されます。それによって、余分な帯域幅の節約が実現されます。
機能(メリット・デメリット)
即時脱退機能
IGMPスヌーピングの即時脱退機能により、IGMP Leaveメッセージ(グループ脱退)を受信したインタフェースが即時に転送テーブルから削除され、フレームの転送が止められます。
以上のグラフの通り、ホスト‐1からのIGMP Ⅼeaveメッセージを受信したスイッチから転送テーブル情報が削除されます。ルーターからのパケットはすぐに送信できなくなるにつれて、ホスト‐2も参照できなくなるというデメリットもあります。したがって、IGMP Ⅼeaveメッセージを送信しないのに、ホスト‐2も参照していた情報が見れなくなりました。(商品例:S5860-20SQ 20x10Gb SFP+、4x25Gb SFP28、2x40Gb QSFP+アップリンク付き)
通信抑制機能
通信抑制はIGMPスヌーピングを通じて、ルーターとホストの間で行われている通信を抑制することが可能です。
ルーターは定期的にMembership Queryを送信し、受信したMembership Reportに基づいてインターフェースを確認します。Membership Reportが複数のコンピューターから送信されても、最初の1台だけのMembership Reportはルーターに受け取られます。したがって、余計な通信(ルーターへの複数のIGMP、通信など)を省け、帯域幅を確保することができます。
ご覧の通り、ホスト‐1だけのMembership Reportはルーターに受信され、ホスト‐2からMembership Reportは受信されていません。だが、ルーターは1台でもMembership Reportを受けたら、全てのホストにパケットを転送することが可能です。
IGMPスヌーピングクエリアとは
クエリアとはMembership Query(グループ参加の確認)を送信する機器です。一般的に、マルチキャストルーティングできるルーターがクエリアです。ルーターは60秒間隔で定期的にホストにMembershio Queryを送信し、Membership Report(ホストからの応答)を確認します。応答が確認されたら、スイッチは継続して情報や動画を転送します。
ルーターが存在しない場合にも、スイッチが代理としてMembership Queryを送信することが可能です。
Membership Queryを受信したホストはMembership Reportを返信して、継続的にスイッチからの転送情報・動画を受信することができます。
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