SIPとRTPの違い:ストリーミング配信の基礎を解説
IP電話の音声通話、テレビ会議のメディア(動画、生放送)転送などのリアルタイム通信に向けて、RTPとSIPのような高い柔軟性を持つ通信プロトコルが設けられた。
TCPとUDPの上位層に位置するRTPとSIPは、それぞれリアルタイムファイルの転送と呼制御を行う通信プロトコルである。両者の違いを詳しく解説する。
目次
RTPとは
RTP(Real time Transport Protocol)とは、音声や映像のデジタルデータによって構成されたIPパケットで、受信側で音声や映像の再生を実現させるためにUDPの上位層で動作するプロトコルである。 デジタルの音声データをRTPパケット化にする周期はおおよそ20~60ミリ秒(適正値)かかる。周期がなくなると、遅延もひどくなるわけである。関連記事:「UDPとTCP、違いとメリットを図解で」
RTPパケットの構造(プロトコルスタック)
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RTSP:Real Time Streaming Protocolの略で、メディア(音声、動画など)の再生・早送り・停止などの機能を制御する。
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RTCP:Real Time Control Protocolの略語で、通信状況(遅延時間、パケット損失率、送出と受信のパケット数など)を含む管理パケットを通信参加者に提供するプロトコルである。常にRTPとセットで使用される。
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SDP:Session Description Protocolの略で、セッションに必要な接続情報(接続方法、伝送方式、メディアの種類など)を記述したデータである。
RTPに基づくストリーミングの動作
RTPと同じ、RTCP、SDP、RTSPもUDPとICPの上位層で用いられる。それによって、階層的な構造をもつ一連の通信プロトコル群は構成され、RTPストリーミングを実現する。
送受信両側の通信を始めるには、まず必要な接続情報を互いに交換して、セッションを確立しなければならない。
その中、RTP/RTCPによるメディアファイルの転送は低遅延・高速通信を重視する。に対して、SDP・RTSPは制御機能に関わるため、TCPを下位層に用い、安定性・完全性を重視する。
SIPとは
RTPパケット転送を行う前に、受送信両側のコネクション確立が必要である。SIP(Session Initiation Protocol)とは、事前に相手との通信伝送路(セッション)を確立・切断し、音声や動画のやり取りがスムーズに進むよう機能するプロトコルである。
SIPのプロトコル構造
SAP(Session Announcement Protocol):特定の映像や音声の配信サービスを検索するために用いられるプロトコルである。 他のプロトコルは上記のTCPと同じ。
SIPに基づく音声通話の確立
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1、受信側(IP電話B)からSIPサーバへ登録メッセージを送信(IPアドレス、電話番号などの情報)
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2、SIPサーバは受信した情報をデータベースに登録
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3、送信側(IP電話A)はIP電話Bと通話したい場合に、まずSIPサーバへ宛先が特定できるメッセージ(電話番号)を送信
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4、申し入れのメッセージを受信したSIPサーバは情報を検索し、それに対応するIPアドレス(いわゆるIP電話B)に着信通知を送る
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5、IP電話Bは着信通知を了承した後、SIPサーバに応答・拒絶メッセージを送る。メッセージはSIPサーバによってIP電話Aまで転送される
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6、その中継動作により、IP電話同士は互いのIPアドレスを取得し、セッション(音声やライブ通話)が成立になるわけ
SIPとRTP、両者の違いとは
定義から見れば、SIPはRTPの前に行われる動作で、接続情報の共有を目的とするプロトコルである。それに対して、RTPは通信がスムーズに進むために、各アプリケーションにおける活用に応じて設けられたプロトコルダル。
似て非なる構造を持っているSIPとRTPは共にストリーミングの機能・品質に深く繋がっている。
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