アイルコンテインメントとは?種類・メリット・課題について
過去10年間、アイルコンテインメントは、従来型データセンター冷却システムの予測可能性と効率性を大幅に向上させ、多くのデータセンターで高い導入率を記録してきました。
アイル・コンテインメントとは
アイルコンテインメントはデータセンターにおけるラック架列を密閉し、熱い空気と冷たい空気を分離することにより、運用コストの削減、電力使用効率の最適化および冷却納涼の向上を図ることができます。コンテインメントシステムを用いることで、IT機器の吸気口温度を一定にし、従来のデータセンターで典型的に見受けられるホットスポットを排除できます。

アイル・コンテインメントの種類
アイル・コンテインメントの種類として、主にホットアイルコンテインメントとコールドアイルコンテインメントがあります。
ホットアイルコンテインメント
ホットアイルコンテインメントシステム(HACS )では、データセンターのラック架列とIT機器からの暖かい排気を封じ込め、冷却インフラに戻します。封じ込められたホットアイルからの熱気は、天井の上のプレナムやダクトを経由して冷却装置に戻されます。空調された冷気がフロア、コンピュータ室の空調(CRAC)装置、またはダクトを経由してデータセンターに戻されます。

コールドアイルコンテインメント
コールドアイルコンテインメントシステム(CACS)はコールドアイルが囲い込まれているので、データセンターにおけるコールドアイル以外の部分が熱気の排気空間となります。閉じ込められたコールドアイルにより、データセンターにおける熱気と冷気の流れが混じりあうことはできません。

ホットアイル vs コールアイル
ホットアイルとコールドアイルコンテインメントはどちらが良いかについては、様々な見解があります。
ホットアイルのメリットと課題
ホットアイルコンテインメント(HACS ) | |
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メリット | ◉作業環境温度を 24°C に設定できる ◉冷却設定値をより高く設定できる ◉フリークーリング時間の可能性を利用する ◉既設冷却構成を変更必要なく、「ドロップイン」方式で簡単に導入可能 ◉高密度に対する拡張性能 ◉ホットアイル外部室温には一切影響がない ◉コンテインメントなしのエリアで快適な温度を維持できる |
課題 | ◉列単位の冷却や吊り天井がないHACSでは、還気用の特殊な空調ダクトが必要 ◉IT機器やインフラにアクセスする必要がある場合、ホットアイル内の温度が高いと、技術者にとっては好ましくない場所となった |
コールドアイルのメリットと課題
コールドアイルコンテインメント(CACS) | |
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メリット | ◉ 室内の熱気が自然に空調機に戻るように設計された部屋単位の冷却システムへの導入が容易 ◉ 設置費用がより安価 |
課題 | ◉ 冷却設定値を高くすると、データセンター全体の温度が不快な程度になる ◉データセンター全体のインフラに影響が及ぶ ◉既存のデータセンターに追加する場合、全体の照明・防火設計に影響を与える可能 |
結論
ホットアイルコンテインメント(HACS )とコールドアイルコンテインメントシステム(CACS)は、どちらを採用しても、従来のデータセンターの冷却システムに に勝る電力密度と高効率な空調対策を実現できます 。最適なオプションを見つけるには、さまざまな側面を考慮する必要があります。