
防犯カメラのIP67・IK10とは?防塵・防水規格IPと耐衝撃保護等級IKを分かりやすく解説
防塵・防水規格IPはIEC(国際電気標準会議)とJIS(日本工業規格)によって定められ、機器内への異物侵入を防ぐ能力を評価する基準です。パッケージでよく見ていたIP68、IP67は実際に、防塵と防水の保護等級の組み合わせです。
上記の図表を示すように、IP67が表示される場合、第一特性(防塵)が6、第二特性(防水)が7になります。また、IP67AHの場合、付加文字Aは「危険な箇所への近接」という付加条件を意味し、補助文字Hはさらに厳しい環境下の侵入を意味します。詳しくは下記の図表をご覧ください。
第一特性(固形物に対する保護)
第一特性 |
保護レベル |
詳細 |
0 |
保護なし |
特に保護なし。 |
1 | 50mmより大きい固形物に対する保護 |
直径50mmを超える固形物体が内部に侵入しない。例えば手などが誤って内部の充電部や可動部に接触する場合。 |
2 | 12.5mmより大きい固形物に対する保護 | 直径12.5mm を超える固形物が内部に侵入しない。指先、または長さが80mm 超えない指先類似物が内部の充電部や可動部に接触する。 |
3 | 2.5mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または厚さが2.5mm を超える工具やワイヤなどの固形物体が内部に侵入しない。 |
4 | 1.0mmより大きい固形物に対する保護 | 直径または厚さが1.0mm を超えるワイヤや鋼帯などの固形物体の先端が内部に侵入しない。 |
5 | 防塵形 | 粉塵が内部に侵入することを防止する。若干の粉塵の侵入があっても正常な運転を阻害しない。 |
6 | 耐塵形 |
粉塵が内部に侵入しない。 |
第二特性(水の侵入に対する保護)
第二特性 |
保護レベル |
詳細 |
0 |
保護なし |
特に保護なし。 |
1 | 滴下する水に対する保護 | 鉛直に落下する水滴によって有害な影響をうけない。 |
2 | 落下する水に対する保護 | 正常な取付位置より15度以内の範囲で傾斜したとき、鉛直に落下する水滴によって有害な影響をうけない。 |
3 |
噴霧水に対する保護 |
鉛直から60度以内の噴霧状に落下する水によって有害な影響をうけない。 |
4 | 飛沫に対する保護 | いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響をうけない。 |
5 | 噴流水に対する保護 | いかなる方向からの水の直接噴流によっても有害な影響をうけない。 |
6 | 波浪に対する保護 | 波浪または、いかなる方向からの水の強い直接噴流によっても有害な影響をうけない。 |
7 | 水中への浸漬に対する保護 | 規定の圧力、時間で水中に浸漬しても有害な影響をうけない。 |
8 | 水没に対する保護 | 製造者によって規定される条件に従って、連続的に水中に置かれる場合に適する。原則として完全密閉構造である。 |
耐衝撃保護等級IK
IEC(国際電気標準会議)62262で規定されている電気機器筐体の耐衝撃保護等級にはIK00/IK01/IK02/IK03/IK04/IK05/IK06/IK07/IK08/IK09/IK10、十段階で分類されています。数字が大きいほど耐衝撃効果も高くなります。
IKレベル |
エネルギー(J:ジュール) | 衝撃に対する保護 |
IK00 |
保護なし |
特に保護なし |
IK01 | 0.14J | |
IK02 | 0.20J | 10cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える |
IK03 | 0.35J |
17.5cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える |
IK04 | 0.50J | 25cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える |
IK05 | 0.70J | 35cmの高さから落ちる200gの衝撃に耐える |
IK06 | 1.00J | 20cmの高さから落ちる500gの衝撃に耐える |
IK07 | 2.00J | 40cmの高さから落ちる500gの衝撃に耐える |
IK08 | 5.00J | 29.5cmの高さから落ちる1.7kgの衝撃に耐える |
IK09 | 10.00J | 20cmの高さから落ちる5kgの衝撃に耐える |
IK10 | 20.00J |
40cmの高さから落ちる5kgの衝撃に耐える |
付加文字(危険な箇所へ近接に対する保護)
A | こぶし(直径50mm)による接近に対して保護する。 |
B | 指(直径12mm)による接近に対して保護する。 |
C | 工具(直径2.5mm)による接近に対して保護する。 |
D | 針金(直径1mm)の接近に対して保護する。 |
補助文字(さらに厳しい状況下の保護等級を評価)
H |
高圧機器 |
M |
回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を動作させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの |
S | 回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を停止させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの |
W | 所定の気象条件のもとで使用が可能であり、付加的な保護構造又は処理を施したもの。 |
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