Cumulus Linux導入によるMLAGの設定方法
データセンターやクラウドコンピューティングの効率向上を実現するために、MLAG(リンクアグリゲーション)による高い帯域幅・信頼性を備えたITネットワークインフラを構築しなければなりません。
MLAGの仕組みとメリット
MLAG(Multi-chassis Link Aggregation)とは、複数の物理リンクでスイッチングハブ同士を束ね、1台のスイッチのように振る舞ってもらうようにする技術です。ちなみに、MLAGは「MC-LAG」とも呼ばれます。「注:物理リンクでは、LANケーブル、光ファイバー、DACケーブルなどが用いられる」。関連記事:「MLAG、vPC、STP、それぞれの意味とは」
下図の示すように、スイッチングハブのGigabit Ethernetポートを2つずつ束ね、そのリンクアグリゲーションによって、回線の帯域幅は1Gbps x 4=4Gbpsまで拡張できます。
帯域幅の拡大に伴い、基幹部分の負担が分散され、ネットワーク全体の冗長化が実現されます。1本の物理リンクが障害しても、残りのリンクは肩代わりしてくれるため、システムの耐障害性が更なる向上します。
MLAGの設定方法
顧客を獲得するために、一部のメーカーやベンダーは自社製品だけサポートできるMLAG設定を仕込み、他社の製品との互換性がないように設けることもあります。その結果、異なるネットワーク機器間のMLAG設定ができなくなり、同じブランドやメーカーの製品を買わざるを得ません。
しかし、Linux準拠Cumulus Linuxを使用することで異なる機器間のMLAG構成を実現できます。
MLAGの設定要項 |
---|
接続用のIPLポートを持つ(S1とS2スイッチ)。 |
MLAGを複数設定できる。 |
Cumulus Linux v2.5以上の事前インストールが必要。 |
MLAGインターフェースに対してそれぞれ特有のMLAG ID(clag-id)を振り割る(各値は 1 から 65,535 (1 と 65,535 を含みます) の間の整数値を取る)。 |
MLAG設定を行う2台のスイッチは同じclag-idを共有する。 |
IPルーティングおよび(M)LAG接続時にLACPを使用できる(LACPモードでLAG接続)。 |
Cumulus Linuxを用いたスイッチのMLAG冗長化
MACアドレスの衝突を避けるために、Cumulus Linuxの設定に従ってMLAG用のMACアドレス(44:38:39:ff:00:00〜44:38:39:ff:ff:ff)を使用します。同じMLAG接続では同一のMACアドレスを設定しなければなりません。
Step 1 :IPルーティング、LACPをイネーブルにする
Step 2:対象のポートをIPL portとして冗長化使用、LACPモードでLAG接続




Step 3: セットアップではサーバーを使用

Step 4: IPL も問題無くUPしていることを確認。
Step 5: MLAG構成を検証

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